「ポリコレ」についての雑感

社会を覆い尽くす「ポリコレ」の動きにものすごく違和感を覚えるのだが、かといってまともに論理だててブログ記事を書けるかといえばそんなこともなさそうなので、とりあえず酒の勢いで思うところを書き留めておく。要するにぜんぶただの気持ちである。

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はいふりカメラとゆく京都

 「はいふりカメラ」というものがある。

 スマートフォンなどで使えるアプリ*1で、使用方法は簡単、フレームを選んで写真を撮るだけ。
 それでキャラクターのいる写真を撮ることができる。

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金閣寺。初めてはいふりカメラを使って興奮した。

 はいふり(『ハイスクール・フリート』)といえばそれなりに前のアニメなので、このはいふりカメラが流行していたのもそれなりに前なのだが、当時私ははいふりカメラを使えるような端末を持っていなかった。

 当時はツイッターなどに流れてくるはいふりカメラの写真を「楽しそうだなー」と眺めていたのだけれど、最近になってようやくガラケーからスマホに変更していたので、そういえばと念願の(?)はいふりカメラをインストールしてみたのである。

 これはそうしてはいふりカメラと共に京都を巡った約1ヶ月前の1日(3月11日)の記録だ。

*1:正しくは”「はいふり」公式アプリ”で、はいふりカメラはその一機能。

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Evernoteについていた最高のPDFリーダーがなくなってつらい

かなしみに任せて記事を書く。

私は去年の10月頃からEvernoteを使っていた。
そのあたりの動機については割愛する*1が、1月から課金する程度には便利に思って使っていた。

早速本題であるが、Windows版のEvernoteにはオリジナルの*2PDFリーダーがついていた。
が、最近のアップデートでこれが外され(?)、PDF表示はChromeのものと同様のものが使われるようになってしまった。

この以前のPDFリーダーが個人的に非常に使いやすかったのだ。
その理由はページ送りに関する些細なことなのだが、これを実現できる他のPDFリーダーを私は知らないので、情報を求める意味でもここに書いておきたい。

*1:ほんとうはこれもブログに書こうと思っていたが無期限延期している

*2:Foxitをもとにしたらしいが

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応用情報技術者になった

 今日もなんにもできなかったね。明日もきっと何もできないよ、ハム太郎……

 ということで「だめだー」となっているのだけれど、唯一の明るい話題。
 鬱々としたことばかり書いていても何なので書いておく。

 10月に受けた応用情報技術者試験の結果発表が今日(12月20日)で、私は合格だった。

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結果

 まあ受かってるかな? というくらいの気持ちでいたのでそこまでの驚きはないのだが、やっぱりうれしい。
 ちょっと振り返りを書いておく。

申し込み

 受験しようかなーと思ったのは確か春頃。
 私はコンピュータ系のサークルに所属しているので、周囲の人がわりとIPAの試験を受けていた。
 その中のひとりに「応用情報くらい簡単だよ、今のすずしめでも取れるよ」という煽りっぽいことを言われたのが発端で、その時試しにネットの過去問サイトで何問か適当にやってみたところ、勘も含めれば半分くらいは正解できるけど、そのままでは厳しいかな、といった感じであった。

 いざ本屋で参考書を眺めてみるなどすると、この試験の問う範囲がコンピュータ技術のかなり広範囲に亘っていることがわかって、聞きかじりの知識ばかりの私もこういうもので一度(情報学科の人がやっているような)まともな勉強もしておくといいかなと思えた。
 あとは、物理で将来食べていける自信がなく、いい感じにIT業界に滑り込めたらなぁというのもあり、この手の資格があったら足しになるもしれない、という打算である*1
 一時期は将来の保険のために教職をとっておこうとか考えたこともあった*2ので、それに比べたら全然現実的な範囲だし、あとは国家資格ってかっこいいよねってことで*3
 応用情報技術者の前に基本情報技術者というのもあるが、よりちゃんとした情報科学の基礎を問われる雰囲気で、つらそうだったので応用情報のほうにした*4

 なお、申し込みを忘れていて期限ぎりぎりになって危なかった。


準備

 試験は10月15日、私は大学生であり8月上旬から9月いっぱいまでは夏休み。
 よって夏休みにいっぱい勉強できるから余裕……などと考えていたが、そんなのは甘い夢であった。

 試験を終えて、コミケに行き、サマチャレで筑波のKEKに幽閉され*5、そして京都に帰ってきてからは課題演習*6の実験のデータ解析をずっとやっていて、課題演習の発表会が終わったらほぼ夏休みが終わっていた。
 夏休み中ずっと実験物理と格闘していた感があり、物理屋としては正しいのかもしれないが疲れ果てていた。

 そんなこんなでまともに勉強をすることもなく1週間前になり、1週間は少し勉強したものの、「時間を計って過去問をする」といった経験を全くすることなく前日の夜を迎えてしまった。
 参考書の後半に載っていた経営工学っぽい内容については(興味がないのもあり)参考書の該当部を一読することすらしておらず、試験時間がどれくらいか、何割正答で合格なのかも知らなかった。
 さすがにこれは駄目かなと思ったが、いざ予想問題を解いてみるとなんだかんだ午前8割弱くらいはとれて、6割が合格基準ならいけるかな、と思えた。
 より不安だったのは午後だが、選択問題があり、記述とはいえ「分かっている分野だけ選んで6割とれれば良い」となると、とても易しく見えた。
 ということで、午後の予想問題を解いた後、「午前さえいければいけるかな」と考えながら寝ることにした。(当日午前3時)

 ちなみに参考書はこれ(の29年度版)。普通に良い本だった。
https://www.amazon.co.jp/dp/4774193151?tag=asuyuh-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=4774193151&adid=1EVDBJN9MNDAAYX41XZ2&www.amazon.co.jp

当日

 あんまり覚えていない。

 会場が京都女子大学だったので、初めて女子大というものに潜入した。
 こういうのにはあまり詳しくないが、「京都で女子大というと京女、同女*7、ダム女*8」というのをどこかで聞いたので、たぶん有名。

 午前はあまり覚えていないけれど、まずまずだったかなという感じ。

 午後。
 第1問は必修のセキュリティの話。「暗号技術はわかる!」とさくっと解いた。
 第2問は経営っぽい話題なので問答無用で飛ばして、第3問のプログラミング。初歩的なナップザック問題の話だったので余裕余裕~とかなる。
 第4問はWeb APIの設計の話。よくわからないところが節々に遭ったけれど、空欄でないところと頑張って比較して埋めていく。
 第5問はネットワーク。ネットワークにはある程度自信があったのだけれど、出てきたのがMACアドレスなんかの層の話で、一応解くものの全く自信が持てない。
 第6問がデータベース、第7問が組み込み機器で、この2つは問題を見てどちらか分かりそうな方を解こうと決めていた。
 どちらかといえばデータベースのつもりだったが、実際に問題を見ると全然わからないので組み込みのほうを解いた。文章をちゃんと読んだら解けた。
 以上で5問なのだが、時間が余ったので第8問のテストのところを解く。これが予想外に簡単で、ネットワークの問題よりも自信が持てたので、第5問ではなく第8問のほうにチェックを付けて*9提出した。

反省

 当日夜になって午前問題の解答が公開されたので自己採点。85点あったので勝利。午後は分かる問題だけ選んだのできっといけてると思えた。

 勉強時間が少なかった割にいけたのは、CTF勉強会とか、ちょっとだけやってる競プロとかのおかげかな、なんて考えていた。
 でも、OSのタスク管理の仕組みやデータベースの正規化の話題なんかは参考書で初めて知るようなことで、わりと面白かった。

 ただ、経営工学には全く興味がもてなかった。ひたすら単語、概念の暗記に終始するような構成も苦痛である。
 しかも出てくる語は片仮名語、英語の頭字語ばかりである。
 試験中に『私の國語敎室』の終わりの一節を思い出さずにはいられなかった(正字正仮名の話とは違うけれど)。

 かうして幾多の先學の血の滲むやうな苦心努力によつて守られて來た正統表記が、戰後倉皇の間、人〻の關心が衣食のことにかかづらひ、他を顧みる余裕のない隙に乘じて、慌しく覆されてしまつた、まことに取返しのつかぬ痛恨事である。しかも一方では相も變らず傳統だの文化だのといふお題目を竝べ立てる、その依つて立つべき「言葉」を蔑ろにしておきながら、何が傳統、何が文化であらう。なるほど、戰に敗れるといふのはかういふことだつたのか。

福田恆存『私の國語敎室』(文春文庫) 348頁より

 閑話休題
 さて、この先にはネットワークスペシャリストなどの資格があるが、それについては今のところあまり興味がない。
 文字通りスペシャリストであり、私のは「保険」などという動機であるから、そこまでは求めていないのである。
 それよりは、エントロピーがどうとかいう、情報科学っぽいことを触っておきたいなというのが今の思いだ*10

*1:ちなみに後に某就活支援会社の人に聞いたところ「応用情報は割とみんな持ってる」らしい。まあそうだよね。でもないよりマシだよきっと……

*2:あまりに大変なので2回生くらいの段階で諦めた。

*3:お前は反権威的な右翼を名乗っていなかったのか、という人はフロムの『自由からの逃走』を読んでみてください。私が実は権威主義者であることが分かります。とてもいい本です。

*4:このあたりで手段と目的の逆転が見られる

*5:サマチャレは良いイベントでしたよ。

*6:理学部物理系の3回生が半年受けるゼミ+実験みたいな授業。

*7:同志社女子大

*8:ノートルダム女子大

*9:解答用紙には採点してもらいたい問題をチェックする欄がある。よってそれ以外の問題の解答を解答用紙に書いていてもかまわない。

*10:統計力学は楽しいし、将来量子情報に行きたいという淡い希望を最近持っているので。

ごちうさ映画の話 / SECCON 2017 Online CTFにでてみた話

 12月ということで人々がアドベントカレンダーに精を出しているのを眺めていると、もうタスクを積みたくないからとアドベントカレンダーに登録しなかった私であっても、やはりブログでも書いて世界に何事かを発信していくかという気持ちになるもので、従って12月は、毎日とは言わないまでも少しずつ、書きそびれてきたことを書いてゆきたいと思う。
 はてなブログの下書きやEvernoteのノートには、書こうとして放置したことがらがいくつか溜まってはいるのだが、古いことから書いていくときっと新しいことを書くことが永遠にできなくなるので、基本的には時系列とは逆に、しかし思い出した順に適当に、今年のことを振り返っていく。

 以上の理由から、この記事を書いている現在は平成29年12月12日未明であるが、この記事の触れる内容は基本的には同年12月10日、即ち2日前のことである。



ごちうさ映画を観た

 ごちうさの映画(「ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~」)を観に行った。
 といっても、今回が初めてではなく2度目である。前回は公開日である11月11日(ぴょんぴょんの日)に行ったから、ちょうど1か月ぶりだ。

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これは前回撮った劇場外の宣伝幕。

 前日には「明日ごちうさを観に行くぞ!」と考えていたにもかかわらず朝起きたのが午後1時頃であったため、午後3時半からの回を予約した。この時間なら余裕だろうと考えていたのだが*1、ぼーっとしていたら時間が相当ぎりぎりになっていた*2
 京都駅北口にバスが着いたのは15時28分。そこから京都駅西側廻廊*3を息を切らしながら抜けてイオンモールに着いたのが35分。しかし息が上がったために飲み物を求めたりして、入場できたのは40分。前回来たときに長い予告をみた記憶から間に合うかもと思ったが、普通に始まっていた。OPが見られなかったのは痛恨極まりない。遅刻はかなしい結果を産む。知見である。

 なお、前回も同じ道を通って行ったのだが、前回は余裕があったのでこんな写真を撮っていた。うきうきするあたたかな秋の午下がり、「日常の中にも不思議の交差点♪」とかうたいながら。

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ビルの蔭にあった神社。どうもオムロンの本社らしい。

 閑話休題
 肝腎なのは映画の感想であるが、それについては一度目に観たあとのこの短文が私の得た感動をよく表していると思う。

 ほこで刺されるという表現*4がぴったりくる、そんな情動である。ここではそれを散発的ながら、もうすこし詳しい言葉で記しておく(ネタバレあり)。

  • テレビアニメに比べ、映画の強みはやはり臨場感というものである*5。それを活用して、この作品はごちうさ世界というものの広さをわかりやすく示してくれた。初めの千夜とシャロちゃんが走るシーン。駅。これまで見てきた世界はこの世界のほんの一部でしかなかったことを思い知らされた。
  • 臨場感といえば、やはりラビットハウスの空気というものの表現も素晴らしいものだった。静かな店の中、カウンターに立ったチノちゃんが「この店、広いですね」と呟く……。そこで「ああ……」と感じるのである。
  • なんといってもチノちゃんの感情表現。いつものようにココアさんがいない。寂しさ、それがひとつ大きなものだろう。しかしココアさんがいない、それは普段意識しなかったことがおもてに出てくる余裕にもなるのである。この作品ではそうやって訪れたいつもと少し違う日々が描かれる*6。静かな私室でひとり勉強。ココアさんからかかってきた電話に嬉しく思い。けれどいつもの声をきくと安心して少し冷たく接してみて。「切ってしまいました」、そう言うシーンでは、私の心はほとんどチノちゃんのものそのものになってしまう。枕に突っ伏して、「あーーーー」と、小さな声で叫びたくなる。みんなを花火に誘おうとするシーン。チノちゃんの心の不安、恥ずかしさ、震えはそのまま私のものである。それを観る心は為しえなかった思いを託す願いである。
  • 物語というものに触れるときは、たいてい登場人物の誰かに感情移入するものだと思うが、私の場合ごちうさではチノちゃんである。最近キャラクターに対してよく使われる表現で「尊い」というものがあるが、尊いものに近づきたいというのは人の*7自然な願いである。「俺の嫁」という言葉に代表されるような「それを自分のものとしたい」という願いもあるかもしれないが、私の場合はそういうものではない*8。「自身が尊いものになりたい」という憧れの思いである。魂をチノちゃんの如く昇華することを願うのである。ジャンプ漫画の主人公になりたいと思う子供のように、私はチノちゃんで在りたい。……そう胸の内で呟くたびに胸の下あたりに湧き上がる、この切ない痛みは一体何?
  • こういうわけだからどうしてもチノちゃんに注目してしまうのだが、それ以外にも見るべきところはある。ひとつ印象深いシーンが、「話し中」になるシーンである。インターネットが普及し、電子メールやSNSでの連絡が一般的な時代、「話し中」は過去の思い出のなか、私の場合は幼きの頃の思い出のなかの存在である。そうすると、子供の頃、親の実家に帰省した時のことを思い出す。子供の頃といわずとも、(もっとココアちゃんの状況に近い)一人暮らしの今の暮らしから実家に帰ることにも思いが至る。若い=新しい――そして時に寂しい――世界の対称としての、家族の=古い世界。北欧のフィヨルドのなかにあるようなココアちゃんの田舎であっても、そこに郷愁というものの共有を得られるのである。
  • ココアちゃんが将来について話すシーンは、(将来どうしようか軽い絶望のうちに悩んでいる*9私にとって)つらいものでも、やさしいものでもある。「やさしい大人になる でもでもでもそれ以上わからない」とはいうけれど、大人ってなんだろう。私はもう大人になってしまったのか? どうでもいいが、半ば冗談として言っているココアちゃんが物理学徒になるという説は、実はかなりの現実性を持っている気がしてきてならなかった。
  • 青山さんと編集さんの関係性が結構好き。

 芸術というものは人の感情を動かしてなんぼというものだと思うので、少なくとも私にはとても良い映画であった。
 ごちうさにはギャグシーンも多いが、私はどうしても少し真面目な部分、そこで描かれる微妙な感情の機微が好きなところがある。でも、ギャグシーンが冗長かというとそうではなくて、あれがあってこそ「ごちうさだ」と思えるのだ……そう感じた。

SECCON 2017 Online CTF に出た

 話は大きく変わってSECCONの話。
 先ほど午後1時に起きた、と書いたが、それはこれのせいである。
 今までつけていた脚注で察せられるかもしれないが、最近ダメダメで、何もできていない。9日土曜日もそんな感じで、一日中家の布団でぼーっとしていたら一日が終わりかけていた、という具合であった。
 それで夜になって、こんなことしてるくらいならやってみるか、と最近流行のストロングゼロを呷りながら、SECCONにエントリーした。
 サークルで開かれていたCTF勉強会*10に出ていたことはあったものの、考えてみれば一度もまともなCTFの大会に出たことがなかった。折角勉強したのだしやっておこうという気持ちになったのだった。

 朝にもういいかなと満足するまでやって、結果は4問正解で600点345位。インターネットを探せばWrite Upがたぶんたくさんあるのだが、初心者の参戦記ということで各問題の感想をちょっと書いておく。

Run me!

 最初に解けたのがこれ。
 プログラムを動かしてくれといっているのだが、貼られているPythonコードを見ると、フィボナッチ数列の第11011項を10進数で表したときの上32桁を求めるプログラムであるらしい。
 当然普通には無理なわけで、Wikipediaやオンライン整数列大辞典などをしばらく眺めながらどうしたものかと考える。
 この前ISUCONで出たらしいBigIntの上15桁を求める問題と似ているのでどうにかならないかなと考えるが、それとは違い自分で数値を計算する必要がある。
 そこで上32桁だけ正しい値に保ちつつ計算する方法がないかなと紙に書いてやってみたりするが、足し算なのでまあダメっぽい。
 そもそもPythonの整数型って何bitだったっけと考えたところで気づく。
 この問題は「フィボナッチ数列の第11011項を10進数で表したときの上32桁を求めろ」といっているわけではなく、「このプログラムの実行結果を求めろ」といっているのであった。
 というわけで、桁溢れを無視してPythonの整数型の範囲だけの演算で得られた結果、つまりバグを含んだ計算結果を答えてしまえば良いわけである。
 するとあとは簡単で、再帰函数で書かれたプログラムをメモ化再帰か漸化式で書き直してしまえばいいだけになる。
 そういえばこれは競プロじゃなくてCTFだったなぁ、と思い出させられた。
gist.github.com

SHA-1 is dead

 次に解けたのがたしかこれ。
 SHA-1ハッシュ値が衝突するような2つのファイルをアップロードしてくれという問題である。
 SHA-1の強衝突耐性が破られたというのは大ニュースになっていたけれど、それはGoogleが鬼のような計算機力(≒金の力)で殴って得た結果だったはずで、一般人にはどうしようもなさそうな気がした。
 そこでまあ思いつくのがSHAtteredで公開されているサンプルのPDFを上げる方法だが、この問題ではファイルサイズに条件があり、2017KiBより大きく2018KiBより小さいファイルでなくてはならない。このPDFは413KBほどなので条件に合わない。
 それでどうしたものかということになるが、確かこの問題は「先頭から順にブロックに区切ってハッシュ値を計算していったときにどこかで同じ値が出てしまう」ということに起因するものであったような気がした。そうならば末尾に適当な同じデータを付け加えてもハッシュ値が同じになるはずである。ということで雑にPythonコードを書いてファイルを生成し、SHA-1ハッシュを計算してみたら同じだったので投げてみたら通った。
gist.github.com

Vigenere3d

 暗号を解くやつ。
 ヴィジュネル暗号とかいうものらしく、とりあえずググって出てきたWikipediaをみたり、「ABC」の三文字の場合についてコードを追いながら紙に書いてみたりした。
 しばらくやっていて、(Wikipediaにも太字で書いてあったのだが)鍵の文字数を知られないことが重要であること、つまり鍵の文字数の周期でただのシーザー暗号になるということを理解する。
 そして、問題を見てみるとどうも鍵の文字数が14文字であるっぽく見える。
 で、平文の最初の7文字は「SECCON{」であることが分かっている。
 それだけだと足りないようだが、実装を見るとどうも鍵は元の文字そのものではなく、実質的に半分の長さ、つまり7文字の長さの数値列になっていそうであることがわかる。

 それなら解ける。
 ……ということで、紙で手作業でシーザー暗号を解いてみると、途中で「SECC」という文字列がでてきたので「これはいけそうだ」と思い、プログラムに解かせた。
 手作業レベルでできるような暗号解読は、それこそ探偵小説のようでやっていて楽しかった。

gist.github.com

Powerful_Shell

 最初はLinuxで動かすのかなとLinuxVMから落としたが、fileコマンドを売ってみたらTextとかでてきて、中をみたら見知らぬプログラミング言語で書かれたプログラムで、なんじゃこりゃとなった。
 眺めて意味のありそうなコマンド名でググってみたらPower Shellらしいことがわかり、ああそういう意味のタイトルかと。
 これを動かすのにセキュリティポリシーの変更なんかが必要で、少し面倒だった。
 ちょっと怖いなと思いつつも管理者権限のPower Shell上で動かすと、ピアノの鍵盤がでてきて、楽しいなーと。

 そのままじゃ埒が明かないのでソースを覗くが、例の如く難読化されていて意味不明。
 ただ、一番下の行で$ECCONなる変数の中身をプログラムとして実行しているらしいことが分かったので、その変数をファイルに書き出すようにプログラムに手を加える*11
 するとちゃんと読めるスクリプトが出てきて、中に書いてあった某曲*12のメロディを弾いてクリア。
 
 ……かと思いきや、パスワードを入れろとか言ってくる。第2ステージがあるらしい。
 そのあとは結局似たようなことをした。つまりスクリプト内で生成されたスクリプトを実行するようなつくりなので、その中身をファイルに書き出して読むのである。変数名に記号を使って難読化しているものは適当に置換したり変数の内容一覧を表示してみたり。
 そんなこんなでパスワードを見つけて入力したら答えが出てきた。

 ピアノの鍵盤を弾くと音が鳴るというビジュアル的な要素があって、これも(初心者ながら)解いていて楽しい問題だった。


以上が解けた4問である。他に、解けなかったが挑戦した問題についてもいくつか書いておく。

putchar music

これもビープ音で音楽を鳴らすやつ(っぽい)。
Scientific LinuxVMで動かしてみたが何の曲か全くわからないので諦めた。

Baby Stack

スタックオーバーフローで攻撃するやつ(だと思う)。
こういうのこそCTFという感じで、スタックオーバーフローでシェルを奪えることをCTF勉強会で知った時は感動したので、是非解きたかった。
gdb-pedaで頑張って動作を追ってみたものの、何処に飛ばせばいいのかなど見つけられず、スタックの動きもよくわからなくて断念。
Goで書かれているようだったが、Goでもスタックオーバーフローするんだなー、と思った。

Ps and Qs

暗号化されたファイルと公開鍵2つが与えられ、それを復号しろという問題らしかった。
同じ秘密鍵から作られた公開鍵が複数あるともしかして秘密鍵の情報がでてくるのか? と思い適当にググったところ、http://www.jnsa.org/seminar/pki-day/2012/data/PM02_suga.pdfがでてきてPsQsなどという文字列が見えたのでこれかな、と考える。
Widespread Weak Keys in Network Devices - factorable.netで公開されているfastgsdを落としてきて、VM上でビルドするところまではやったものの、よくある鍵の最大公約数の一覧(?)がわかったところでどうすればいいのかよくわからないので諦めてしまった。


……といったところである。

CTFは消耗するけれど、解けたときはやっぱりうれしくてハイテンションになるので、なんともいえないものである。
CTFにしろ競プロにしろ、いろんなものに少しだけ手を出してまともにはやらないという私の悪い癖の結晶のようなもので、そのあたりが痛むところではあるのだけれど。ちなみに、最近は『ステラのまほう』原作の照先輩エピソードを見て「ああ……」などと思うなどしていた。ステラのまほうはいいぞ。

*1:私の家から京都駅まではバスで約40分、劇場であるTジョイ京都まではそこから徒歩約15分。

*2:最近はこんな感じのことばかりでなかなか大学の講義に出られない

*3:走りながら適当に名付けた。京都駅北口バスターミナルから西に油小路まで行き、線路をくぐる地下道で南側に抜けるルート。若干遠回りな嫌いはあるが、駅構内を通らないので走れる。

*4:この単語なかの「戟」は動詞として使われているようだけれど。

*5:良い視聴環境を用意すればテレビアニメもより迫力をもったものとして楽しめるのだろうが、それは一学生には難しい。

*6:「日常」ではないのかもしれない。

*7:「凡人の」なのかもしれない。

*8:だから「きらら」を求めるのだと思う。

*9:今月中に卒業研究の希望調査を出さないといけないのだが、不安しかない。

*10:『セキュリティコンテストチャレンジブック』(ハリネズミ本)と『暗号技術入門 秘密の国のアリス』の輪講をしたりした。

*11:PowerShellなんて使ったことがないので書き出し方は当然ググった

*12:私はこの曲が好き。

量子力学の演算子の話

量子力学の講義や演習で、演算子が波動函数に直接作用しているように書かれていることがよくあった。

 \hat{O} \psi(x)

という具合。
こういうのが出るたびによくわからない気持ちになっていた。
波動函数というのは

 \psi(x) = \lt x | \psi \gt

で定義される「数」であり、物理量(一次演算子)の作用する先の「状態」ではないからだ。

今日ようやく謎が解けた。どうもあの表記法は

 \hat{O} \psi(x) = \lt x | \hat{O} | \psi \gt

で定義される量を指しているらしい。

言われてしまえば非常に簡単な話なのだが、量子力学の非可換性に囚われて

 \hat{O} \psi(x) = \hat{O} \lt x | \psi \gt \ \  ?

などと訳のわからないことを考えていた。
要するに、状態を座標による基底で表示したものが波動函数であるから、「一次演算子を状態に作用させたあとに座標による基底で表示する」ということを暗黙に行っていたらしい。
それにより記号の順序が逆になるというただそれだけのことであった。

講義ではふだんあまりブラケット形式を使わずに波動函数での表記を用いているが、調和振動子の問題を扱う場合などにたまにブラケット形式で表記される。
そういう問題で途中までブラケット形式で、途中で波動函数での表記に変わるようなことがあり、そのたびによくわからないという思いを抱いていた。

そういうとき、ブラケットを機械的に波動函数に置き換えてしまえば何故かうまくいくのだけれど、何故そうして良いのかが全く分かっていなかった。
それで、ブラケット形式で表記される一般の量子力学波動力学との間に壁を感じ、「量子力学がよくわからない」という気持ちを増大させていた。


気付いてしまえば非常に簡単な記号の濫用の問題であったのだけれど、気付くまでに随分と時間がかかった。
「よくわからない」という漠然な気持ちを抱いた時に、きちんとその理由を突き止めようとするべきであったのだろう。

もしかすると同じことで悩んでいる方がいらっしゃるかもしれないので、ブログに書いた次第。

<11/6追記>
各所からご教示を頂いたので追記しておきます。

  • 「記号の濫用」などと上では書いたが、 \hat{O} \psi(x) = (\hat{O} \psi)(x)と見ればよいだけ。左辺のような表記は単に括弧の省略が行われているだけであるといえる。
    • これがとても納得できる説明だった。パースがうまくできていなかっただけ……
  • 演算子も座標表示して  \hat{O} \psi(x) = \int dx' \lt x|\hat{O}|x' \gt \lt x'|\psi\gt と見れば、順序は自然。

ありがとうございます。

『クロックワーク・プラネットI』を読んだ

クロックワーク・プラネット』原作小説をこの前ようやく見つけ*1、その第一巻を読み終えた。

素晴らしかった。私はアニメから入った口なので(恐らく)三巻までのストーリーは知っている訳だけれど、それでも泣けた。圧倒された。

あらすじは公式サイトを参照。
要するに、二人の「天才」――異常に良い耳をもつ高校生の少年と才気に満ちた時計技師の少女――を主人公とした物語である。
歯車仕掛けの設定が格好いいというのもあるのだけれど*2、この天才たちの戦いを描き方が良い。天才たちが自分の理想を貫くために、一筋縄にはいかない世界と正面から戦うのだ。


※以下ネタバレ成分が強めです。


この物語は徐々に「凡人と天才の戦い」というテーマが表に出てくる……というのはアニメ版からの知識なのだが、第一巻の時点でもそういう伏線は張られていた。マリーさんが軍に対して「邪魔だからド素人は引っ込んでろ」と言うくだりである。能力がない者は何もできない。だからマリーさんの言うことは正論ではある。だが、何もできないから恐ろしいのだ、とハルターが心の中で語っている。
羨望、嫉妬、憎悪……「ルサンチマン」という語の俗化した意味のものの力は恐ろしい。これによってマリーは苦しめられる。
平凡な人間の多い社会というものは、そういったものとうまく折り合いをつけながら回っている。たとえ天才だからと言って正論だけではいけない。相手を適宜思いやって、相手の顔を立てて、理想そのものが実現できないとしても適当に妥協することで満足する。これが大人の解決策である。

この小説は、これを否定する。
天才は妥協せず自らの力の全部を以て信念を貫き夢を実現せよ。苦悩の末マリーが至るのは、そういった、ある種子供じみた結論である。
マリーは子供じみたと自覚しつつも、子供だからいいじゃないかというのである。


私がアニメを全話見て抱いた感想は、「面白かったけれど、ものすごいテロリズム礼賛アニメだ……」というものだったのだけれど、原作小説は一巻の時点でそれをずばり語っていて笑ってしまった。

 首をかしげたナオトに、マリーはにやりとして、
「理想を追求するのに最も都合のいい立場って何だかわかる?」
 ナオトは首を振る。
「いいや」
「それはね――テロリストよ」
 にっこりと危険な笑顔で、マリーは言った。


現状維持的で薄汚い社会に抗って理想を具現化しようとするならば、着く果てがテロリストなのは妥当なのだけれど、ここまで断言してくれると清々しいものである。
これを是としてしまうのは、私が子供っぽいからなのだろうか。

そういえばここまで私はマリー目線でしかものを語っていない。それはやはりマリーに感情移入して読んでいるからだろう。あとがきに、二人の共著者で思い描く天才の形が違った、という話が書いてある。榎宮さんのものがナオトで、暇奈さんのものがマリーらしい。所謂「天才」と「秀才」の差、先天的なものがすべてかそうでないかといったところの差異である。 私は「ギフテッド」という言葉が嫌いだ。この単語がルサンチマンの塊に見えるからだ。人は自分の理解できないものにラベルを付け、自分と違うものとして扱い、そうなれない自分を慰める。それが虚しく思えてならない。だから私は…努力家であるだろうマリーを応援してしまうのだろうか。……よくわからなくなってきた。

何はともあれ、天才たちが困難を打破する姿は格好いいし、熱くなるのである。それで十分かもしれない。

あとリューズさんマジリューズ。うん。
頷くシーン最高。作者たちが「萌え」というものを生み出す魔術師に思える。
リューズの口上もいちいちとても良い。

媒体の問題でアニメにはなかった登場人物の背景とか心理の描写が小説にはあるので、キャラの見方を結構変えてくれた。そういう意味で、アニメを見た方にもおすすめ。若干手に入りづらい嫌いがあるが……*3



――感動をうまく伝えられなくてもどかしいけれど、久々に熱中して読める面白いラノベに巡り合えたな、という話でした。

*1:京都駅のイオンモールの中の大垣書店にあった。とりあえず1、2巻を買った。

*2:私がアニメを見た理由は主にこれである。

*3:微妙に古いラノベ、微妙に手に入りづらくて難しい。