メモツールについて

私は結構長い間 FitzNote というメモツールを使っています。素晴らしいソフトなのですが、乗り換えたい気もずっとしていて、どうしようかという思いがあるのでそれをちょっとここに書いておきます。

FitzNoteの良い所

なにより手軽に書けるのが素晴らしいんですよね。
PCでメモを取ろうとすると、主に面倒くさいのはファイル名をつけてどこか適当な場所に保存しないといけないことなんです。
「これは保存すべき情報なのかな」「これはこういうカテゴリの情報だからこういうフォルダに入れておくべきかな」といった思考を、ちょっとしたメモのたびに考えるのはとても面倒です。

その点FitzNoteはすごく楽です。
デスクトップに「雑記.ftz」のようなファイルをおいておけば、ダブルクリックで一瞬でFitzNoteのソフトが立ち上がり、画面に出るのは前回開いた場所で。
新しいノードはワンクリックでつくれて、ノードを作るとノード名入力待ちになるので適当に名前を入れるかそのままエンターキーを押すとメモ入力が始められる。
あとは思いつくままにテキストを羅列していくだけ。
ここまでになにも頭を使う必要がないのです。

更に、FitzNoteはアウトラインエディタと呼ばれるタイプのエディタですから、階層的なデータ構造をつくるのが得意です。書きなぐったアイデアを階層的に整理していってまとめるという作業がストレスなく直感的にできるわけです。

また、一覧性があるのも大事なことで、FitzNoteにはツリービューがあり、これを常時表示しておくことでいつでもワンクリックでメモを探しに行くことができます。

重要な情報もそうでもない情報も、階層構造で整理して一元管理。 情報はここにあります。

という謳い文句が公式サイトにありますが、まさにその通りで、だいたいここにメモをつっこんであるので情報を探す手間がとても少ないのです。
PC内のどこか埋もれたファイルを検索するのとは違い、全文検索ができて結果もすぐに出るのも素晴らしいです。

なお、FitzNoteには進捗管理ソフトの面もありますが、私は基本的にメモツールとしてしか使っていないのでそっちの面についてはよくわかりません*1

乗り換えたい理由

こんなにべた褒めすると、じゃあなんで乗り換えたいんだ、一生使っておけばいいじゃないかという話になりそうなのですが、やっぱりFitzNoteにも少し問題があります。

問題の第一は(というよりほぼすべてなのですが)、古いことです。最終更新は実に1999年、今から18年前です。これが未だに動いていることについてはWindows後方互換性を讃えるべきですし、そもそも私がこのソフトを使い始めたのは確か古くなって無償化されたと聞いて興味を持ちダウンロードしてみたからだったはずなので、古いということに文句を言える立場ではないのですが、やはり現実問題として古くて今後アップデートされる見込みがないのは厳しい所です。
OSのアップデートでいつ動かなくなるかわからないので、綱渡りを続けるような状況になってきます。OSSではないので自分で修正することもできません。

第二はUnicodeに対応していないことですね。これも古いからで片付きそうですが。

第三には、情報が集中しすぎていてすこし怖いということです。1つのバイナリファイルに全部のデータが入っているので、これが壊れたら終わりだなぁと。たまに思い出したときにバックアップを取っていますが。

あとはクラウド共有あたりの問題でしょうか。今はftzファイルをOnedriveにおいていて別のPCからも編集できるようにしているのですが、これも1つのバイナリだという事情から衝突したときは手作業でマージするしかなくなります。

……このあたりでしょうか。

乗り換え先の候補

そもそもアウトラインエディタというジャンルのソフトウェア自体が下火なようで……
いくつか試してみたのですが、あんまりしっくりくるものがなかった記憶があります(それこそメモしてなかったので記憶が薄い)。

emacsのorg-modeとかいうのもよさそうだなと思った記憶があるのですが、気づいたらvimしか使えなくなっていました。
プレーンテキストですから、サーバーにテキストを置いておいて一日に一回くらいcronでgitを叩くみたいな運用ができそうなのはよさそうなのですが*2

「♪エンジニアーはみんなー 不思議な力をもってるのー ソースコード、書くだけで、どんなアプリでも、うみだせるー」と歌いながら*3シンタックスハイライト機能をつけてその場で実行できるようにするとか、TRONの実身・仮身を参考にファイルを分けて参照するような構造とかを考えて、便利なものを自分で書こうとしたこともあったのですが、結局投げ出してしまいました。

これが最初のころで、大学入学する前なので2年くらい経っているわけです。あの頃はデリゲートなにそれわからんといいながらC++しか知らないまま雑にC#をかいてWPFに殺されていたのですが、いつになってもWPFの気持ちがわかることはなく(というか資料が少ない)、途中でこの実装はやばいと気づいてコードを破棄し、そのままといったところです。
だいたいはGUIのつくりかたが分からなすぎるというところに帰着します。
あとは無駄にUnicodeに完全対応したい、いい感じに文字をレンダリングしたいからFreetypeを直に叩くか、などなどと余計なことを考えていって要求が肥大化していったのも問題だったのでしょう。
あまりIT系のひとの言葉を引用するのは好きじゃないのですが、ネットでよく見る「完璧を目指すよりまず終わらせろ」というFacebook創業者の発言は正しいと思いますね。


うーん。締まりのないお気持ち表明でした。(やっぱりつくりたい)

*1:最近までスケジュール管理というものをほとんどしておらず(基本的に覚えられる範囲にしか予定を入れていなかった)、さすがにまずいかという気持ちになって最近スマホを手に入れたのを契機にgoogleカレンダーを使い始めましたが、これは予定を入れるのが楽しくなっていいですね。なにが楽しいかって、場所を入れるとそこの画像が取得されて予定表の 背景にその画像がでてくることです。完全におまけ的な機能なのですが、これがとても魅力的に思えます。

*2:gitの使い方として最悪っぽい気もする。

*3:http://www.nicovideo.jp/watch/sm5042812