近況報告

書きたかったことを書いていったら長くなってしまった。

和服ロリ概念

 固体物理学の教科書を読む、着物を着た一人の少女。そんな、漫画の一コマと思しき画像がツイッターに流れていた。
 いい絵だなと思いつつも長らく出典がわからなかったのだが、あるとき有識者から「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Drei」との答えをもらった。「美遊」というらしい。
 それで、そのあたりのエピソードが映像化されているらしい映画版の公式サイト(劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い)を見に行き、そこで「朔月さかつき美遊みゆ」の絵を見つけ、そしてそのかわいらしさに悶えた。
 Fateにはほとんど触れたことがないし、ましてやそのスピンオフの、漫画で言う3期8巻あたり、アニメで言えばテレビアニメシリーズ4期のあとの劇場版と、物語に辿り着くのは困難であり、従って物語的背景はほぼ知らないのだが、とりあえずめちゃくちゃかわいいと思ったのであった。

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劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い より引用

 ……という話を、感動冷めやらぬままある友人にしたところ、こんな反応が帰ってきた。曰く、「すずしめはこういう和服のロリだったら誰でもいいんでしょ」。
 衝撃的であった。自分では全くそういったことに気がついていなかった。しかし、考えてみると、考えてみるほど、否定は難しかった。「誰でもいい」はさすがに嘘だとしても、「和服ロリ」に魅力を抱いてしまう傾向があることは確かであろうと思われた。

 昔から巫女さんキャラが好きで、そういった和ものコンテンツに触れる機会が多かったのも一つの理由であろう。しかし、巫女さんものが好きだったのは、その生贄性の中に美点を見出し、物語の良さを求めていたという節があった*1
 今回のように物語を知らず絵を見ただけで良く思えてしまったのであれば、理由をそこに求めることはできない。「和服ロリ」のキャラ付けから帰納的に推測されるおとなしめな性格も加味して、どうも私は「和服ロリ」が大好きであるらしい*2

 「和服ロリだから好き」、果たしてこれは良い態度なのだろうか。そういった疑問はないでもない。「見た目ではなく内面を」そういった価値観を子供の頃からいつの間にか持っていたし、その上「和服ロリ」は人に固有の容姿ですらない。それを以てキャラクターを好きというのはどうなのか。だが、これについては難しい問題になりそうなので保留したい*3

 まあ、「好きなものを好きというと気持ちに嘘をついちゃいけない」とこの前のステまでも言っていたし、そういった感じで私は和服ロリ概念を推していきたいと思う*4。「和服ロリもっと増えろ~」というやつである。

 将来の夢は和服ロリです。

 ちなみに、「和ロリ」という広く認知された概念が存在し、ふつう「和ロリ」という単語はこれを指すが、これとここで言う「和服ロリ」は全く異なる。「和風ロリ」は「和風なロリータファッション」であり、「和服ロリ」は「和服を着たロリ(=童女)」である。

最近のPC環境

デスクトップ

Gentoo

 ロリで思い出したのだが、主にこの記事を読んだ影響で面白そうだと思い、数ヶ月前からGentoo Linuxを使い始めた。
titech-ssr.blog.jp
 とはいっても、あくまでWindows上のVMであり、メインでというわけではない。が、Linux系の環境で何かがしたいときは主にそちらを使うようになった。MATE Desktopを入れたGUI環境である。

 「ソフトのビルドを自分のマシンでいちいちやるの面白そう」という同じ理由で一度Free BSDに手を出したりもしたのだが、設定がいちいち非常にめんどうですぐに諦めてしまった。その点Gentooはすごい。全てのソフトのビルド時のオプション設定がUSEフラグという形で一箇所にまとまっており、かつその内容もWikiで調べやすい。

 ビルドの時間も、PCの性能が十分(ホストマシンにメモリを32GB積んでいるので、VMに8GB振っている)なので、苦にはならない。むしろ、ビルドが走っているときのコンソール画面を眺めていると癒される。たくさんの人間が継ぎ足し継ぎ足し書いていった膨大なソースコードから世界が構築されていく姿はとても良い。そこに並ぶ機械的な報告文に、SNSのような醜さは存在しない。ただ壮麗さとワクワクだけがある。

 使う前はビルドオプションをいじる必要がある機会はどれほどのものかという気はしていたが、実際触ってみると意外とあるものである。
 例えばvimで一部のプラグインを使おうと思うと “+lua” でビルドされている必要があるが、Ubuntuで普通にパッケージマネージャを使って入れたものにはこれがついていない。すると “+lua” にするためには自分でソースコードを落としてきて make して実行ファイルにパスを通して、という話になるのだが、これだとパッケージマネージャの管理から外れるため、更新などは自分で行う必要がある。
 翻ってGentooの場合、make.conf に一行書くだけで、“+lua” でビルドしてくれるようになる。デフォルト設定を使う場合とそうでない設定を使う場合での面倒さの差がほとんどないのだ。

 もちろん不便なことがないわけではないのだが、とりあえず今のところは「Gentooは楽しい」という気持ちだ。

WSL

 久しくWindows中の*nix系環境にはmsys2を使っていたのだが、WSL (Windows Subsystem for Linux) も使うようになった。
 GUIのツールにはまだいろいろ難点があるが、コンソールのツールを使うぶんにはLinuxを普通に使うのとほとんど何も違いを感じない。
 開発ツールにすることを考えるとWindowsよりMacがいいという風潮があったが、WSLが十分にこなれればその点でのWindowsのつらさは少なくなりそうに思える*5
 プログラミングもできるゲーム機Windowsになればさいきょーなので、MSさんにはぜひともがんばってもらいたい。

 なお、前述のように最近はGentoo仮想マシンのほうを専ら使っているので、WSLの出番は少なくなってしまった。持つべきものはつよいコンピュータである。

その他

 タスクバーを下ではなく上に配置するようにした。
gigazine.net
 Windows 10の新機能で複数のアプリケーションをタブで切り替えられるようになる、という記事だが、これを読んだ時「タスクバーで切り替えるのと何が違うんだ?」と疑問を持った。そしてこれによる効能に、「Webブラウザのタブと距離が近いので切り替えが楽」「ウインドウが散らかりにくい」というものがありそうだと考えた。
 すると、これは「タスクバーを上にする」「ウインドウは基本的に全画面で開くようにする」ことで実現できるのではないか? ……ということで試しにやってみたのだが、けっこう具合がよい。おすすめである。

 また、同時に仮想デスクトップを使うようになった(これにはMacを触った影響がある)。Ctrl+Win+左右キーという直感的な操作で一瞬でデスクトップを切り替えられるのが心地よい。
 私は、仮想デスクトップ1にはVisual Studioやコンソール、2にはブラウザ、3には音楽プレイヤー、4にはVirtual Boxのウインドウを全画面で、という使い方をしている。ちなみに、Virual Boxのウインドウがアクティブになるとキーを奪われてCtrl+Win+左右キーでの切り替えができなくなるが、Hostキー(標準では右Ctrlキー)を押した後にCtrl+Win+左右キーを押せばちゃんと切り替えられる。

 Windows 10標準では仮想デスクトップ切り替えやウインドウの最大化にアニメーションが発生するが、これも設定で切った。動きがサクサクして快適である。

ノート

 上でつよいデスクトップは最高と書いたのだが、対照的にノートPCのほうは貧弱である。高2の頃に買ってもらった Let's note CF-SX2 なのだが、なにぶん古いものでなんかもういろいろつらい。
 Windowsクリーンインストールをしたら些かましになるのではないかと思ってはいるのだが、データのバックアップが面倒でやれていない。外付けBDドライブはあるしBD-R 10枚組も買ってあるのであとはやるだけなのだが……

 クリーンインストールが面倒だが、しかしそのまま使うのは苦痛でしかないので、折衷案として(?)32GBのUSBメモリUbuntu MATEを入れ、USBメモリブートで使うようにした。
 一時しのぎの手段というつもりであったが、普通に使えるPCになった。物理的に短いUSBメモリにしたために、挿しっぱなしで持ち運べるのも良い。

 まあどう考えても古いのが悪いので、そろそろ新しいノートPCがほしいところではあるけれど。(大学院に行ったら研究室から降ってこないかな……)

院試の話

 無事、京大理学研究科物理学第一教室の某分科(第一志望)に合格した。よって、少なくともあと二年は京都にいることになる。
 併願した東大理学系研究科物性理論サブグループも第一志望で出した研究室に受かっていたのだけれど、もともと京大の方の研究室に受かったらそちらに行くつもりだったので、こちらの先生には申し訳ないのだけれど辞退した*6

 やっていきたい。

Lilas

 あまり表立って語っていなかったのだけれど、Lilasというギャルゲー(全年齢)の制作に参加していた。

 プログラムとシナリオの一部を担当したのだけれど、プログラムはまだしもシナリオかけない……(死)というような状況になっていた。プログラムにしても、書けば書けると思っていたのだが、夏コミの直前すなわち院試の直前にまでもつれこんでしまい*7、院試の勉強しなきゃという焦りのもとで大変な感じになっていた。夏コミ体験版も(実装が間に合わなかった部分もあったものの)なんとか出せたし、院試もなんとかなったしで実のところめちゃくちゃほっとしている。

 ギャルゲー(しかもごく普通のADV)の動くプログラムになぜそんなに時間がかかっていたかといえば、99%の理由は私のわがままでスクリプトエンジンを自作したからである。
 文法を決め、構文解析器を書き、構文木を実行しやすい形式にならし、その実行機械をつくるという作業をすればいいのだけれど、構文解析の方法など全く知らない状態であったから、これを断続的にやっていって1年くらいかかった。
 結局LL(1)再帰降下構文解析器をC#でゴリゴリ書いた*8のだが、これはとても勉強になった。今まで遙か遠くにしかなかったプログラミング言語の世界が身近になったような気がする。
 そして、少しずつ大きなものが読めるようになっていく過程は楽しかった。

 そういえばこれについて春にKMCの例会講座で発表していたので、それを貼っておく。

www.slideshare.net


 Lilasの完成版はNFと冬コミで出ると思われるので、乞うご期待。
 ……全力で進捗します*9

*1:ささみさんの設定とか閻魔あいちゃんの過去とかすごく好き。必ずしも「巫女さん」である必要はないという点で、巫女さん原理主義者ではない。

*2:なお、私が女子について言及する場合は特に断りのない限り二次元の女子である。

*3:大学受験期に読んだ現代文の文章で、たしか鷲田清一が「人は『この人』に恋をするのだと思いこむが、実はその人のもつ何らかの属性を好きになるというフェティッシュなものであり、恋愛は一回性のものではなく、代替可能なものである」という趣旨のことを言っていたと思うのだが、出典もそう主張する理由も忘れてしまった。

*4:名前をつけるとそういう概念が広がりやすいという説がある。なお、「和服ロリ」でpixiv検索すると12件ヒットし、その中にきりたんや阿求の絵が含まれているため、私が言うのと同じ意味での「和服ロリ」概念は細々と存在してきたように思われる。

*5:Mac Book Airを買うと本体価格よりもはるかに高額なフォントがついてくるので、そういった点でのMacの強さはある。

*6:どちらも魅力的な研究室であるのだが。

*7:プロジェクト自体は1年半前から動いていたのでこれは完全に私が悪い。

*8:ゲームエンジンとして、AltseedというエンジンをC#から使っているため。

*9:共同制作者のみなさん迷惑かけてすみません。